畑とともに。スローライフな老人ホーム

新しい生き方インタビュー

大阪府枚方市の杉山手地区の里山に立つ一件の古民家。

大阪府内でありながら周囲は田園風景が広がり、山の緑が青々としている。

古民家の裏には竹林が広がり、静寂な空気が流れる。

老夫婦が縁側に座っていそうな雰囲気が漂っているが、この古民家は今年の12月に開所予定の住宅型老人ホームである。

さわやかに風が通る竹林

施設の名前は「みんなの家Ⅱ」。

以前にスノックでインタビューにお伺いした株式会社Purimの西田社長が新しく開所した施設です。

この施設は西田さんの高齢者の方や介護が必要な方への、やさしさがぎゅっと詰まった施設。

ユニークなのは「農業と福祉の連携」を意識して作られているところです。

庭にはポタジェが作られ、様々な葉野菜が植えられています。

またホームの周囲には、ゆずの木や季節の果樹が植えられ、和風庭園の小池ではメダカがゆっくりと泳いでいます。

施設のすぐ裏には、畑が準備され、施設の利用者はいつでも野菜作りを楽しむことができ、キッチンで料理して採れたての新鮮な野菜を味わうことができます。

庭のポタジェ。様々な葉野菜の苗が植えられていた。

農業と福祉の連携は、高齢者や障がい者の方が「農」に接することで、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取り組みです。

玉ねぎとえんどう豆

西田さんが大切にしているのが、自然のなかに身を置くことで、身体的・精神的にプラスの効果を得られるというところ。

身体の機能がうまく働かない方でも、少しづつでいいから畑作業や花作りのお手伝いをしてもらうことで、自然から力をもらい、もっと機能回復がしてもらいたい

という望みがあるそうです。

またその先には、

自然との共生を実現し、循環型社会を実践していく

ということも目指しておられます。

西田さんは「自分が世界から居なくなった後も、ずっと残るものは何か?」と自問自答し続けてきました。

その答えとして、

環境問題と向き合い、いつかは「ターシャの庭」のように、自給自足・自家発電・自然栽培をしていきたい

という思いが強くなったとのことです。

畑の仲間と(右が西田さん)

古民家内に入ると縁側からは、日本庭園や竹林が見え、独特の情緒と落ち着きが感じられます。

掃き出し窓からの風景は、少しお値段の張る旅館に来たかのような風情が漂っています。

また照明も自然な明かりが取り入れられており、建物の雰囲気ととても調和しています。

個室のドアを開けると見える、掃き出し窓からの風景。
廊下の明かり

建物内は全てリフォームされており、施設は最新式で介護に必要な浴槽やトイレなども完備しています。

12月開所予定ですが、部屋はすでに全て満室。

最新式のバスユニット(車いすの高齢者でも利用できる)

医療や介護の現場では、「園芸」の力をケアに生かしていこうという考え方が見直されています。

高齢者が畑で農作物を作ることは、五感を刺激する良い機会となり、自然と体力づくりにつながると言われています。

また、他者とのさまざまなコミュニケーションにつながります。

地方で畑仕事をしている高齢者の方はとても元気で、人々の繋がりも深く、農作物のやり取りや、ちょっとしたお手伝いや気配りなどにより、とても良い人間関係が構築されている様に見えます。

人間本来の自給自足的な生活は、私たちにとって「健康」と「人との繋がり」というかけがえのない財産をもたらしてくれるのかもしれません。

ターシャの庭のブックレット

西田さんが目指すターシャの庭。

ターシャは23歳で絵本作家としてデビュー。

農場での暮らしを描いた絵本は、アメリカ中の子供たちを夢中にさせました。

57歳の時、バーモント州の広大な農地を購入して移住、自給自足に近いスローライフと、理想の庭造りを実践した。

その一生は人生の豊かさを追求し続けたと言われています。

近年、脱炭素社会を世界が目指す中で、人々の幸せの価値観が大きく変わろうとしています。

高齢化社会の最先端を走る日本で、どのような老後を送ることになるのか。

みんなが不安に思っていることだと思います。

西田さんが作ろうとしている施設は、その解決策の糸口を与えてくれるものではないかと思います。

高齢者施設で野菜を作ることで、自分達で作った野菜を食べ、身体を動かしながらゆったりとしたスローライフを送る。

自分が入るなら、こういった施設が良いなと心から思いました。

西田さんは仕事を通じて自分が大切にするべきものを見つけ、自分とその周りの人がどうすれば幸せに生きていけるかということを追求しているのだと感じました。

以前の西田さんのインタビュー記事はこちら

株式会社Purim    http://hp.kaipoke.biz/ysf/

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