人生を変えた1冊の本 司法書士 阿部 理恵さん

新しい生き方インタビュー

やりたいことが何かあるのは分かるんだけど、それが何かは分からない」

「本当にやりたいことってどうやったら見つかるの?」
「自分の天職って何?」

たくさんの人が試行錯誤している質問だと思います。


阿部さんは40歳目前にして「法律を生かして子どもの貧困を解決する!」という夢が見つかり電撃が走ったとのことです。

自分で人生をデザインする為のヒントがたくさん詰まったお話です。

 

プロフィール

関西外国語短期大学卒業後、「金融」に憧れて大手証券会社に就職するも3年で退職。
その後結婚・出産。
40歳直前に「法律を生かして子どもの貧困を解決する!」という決断をし、司法書士になることを決意。
6年間の苦学を経て、みごと難関試験に合格。
平成30年にすずらん司法書士事務所を開設。

40代目前にして司法書士試験を受験しようと思った理由は?

次男が小学生に入ってから、この仕事やりたい!あの仕事やってみたい!と、どんどんやりたい事をやり、やってみたかった仕事をほぼコンプリートしました。

不動産会社のチラシ配り ・ 調剤薬局の受付 ・ パン屋 ・ 整形外科の受付 ・ 歯科助手 ・ 焼き鳥仕込みなど、3つの仕事を掛け持ちしていたこともあります。

早朝からパン屋で働き、午前中にもう一軒違うパン屋で働いて、午後は整形外科の受付をやってという時期もありました。

ところが、その時期やりたいことを色々やっているんだけれど、何かが足りないと感じていました。

「やりたいことが 何かあるのは分かるんだけど それが何かは分からない」


というような気持ちでした

そんな時たまたま入った書店で、 「反貧困」 という本に出合いました。


本を読んだ時は電撃が走りました。

「やばい!きた!」

「これはやらないとあかん!」

様々なことが点が線で繋がりました。


「司法書士資格を取り、子供を守るプロボノ活動をしなくては!」

と、40歳を目前に決意しました。

反貧困(湯浅 誠 著)

合格率3%という超難関資格に合格した秘訣は?

受験勉強を始めてから、たまたま近くの司法書士事務所で働くことができました。

朝4時に起き2時間ほど勉強してから、子供達のお弁当や朝ごはんの準備をするという生活をしていました。

最後の一年は勉強専念する為退職し1日13時間くらい勉強しました。

自由時間は全て勉強でした。

勉強は全然辛くなく「勉強以外のことはしたくない。ずっと勉強していたい!」という気持ちでした。

1日13時間も勉強できたモチベーションはどこから生まれたのですか?

私の実家は貧乏でした。

父親は働かないし、暴力をふるうし、借金はするしと大変でした。

兄は働きながら夜間の大学に通っていたのですが、学費が足りなくなり中退するという出来事がありました。

家族を背負わざるを得ない立場になり「兄が犠牲になっている」と感じました。

私自身も第一志望の受験校を、学費の問題で変更してもらえないかと母にお願いされたことがありました。

とてもショックでした。

お金がないというのはこういうことなのかと思いました 。

今考えると母と兄が必死で勉強させてくれていたのですが、自分ではすごく不幸な子供だと思っていました 。

しかし自分が親になってみると、それが全然普通じゃなく有難いことなんだと気付きました。

それはとても贅沢ですごくラッキーなことなんだと。

でも私は母と兄にはそういったことのお返しはできない。

昔自分がしてもらったことが、親になって初めて有難さが分かりました

じゃあ私もそれを恩返ししないと

それが私のモチベーションの源泉だと思います。

絶対しないといけないという風に思っています。

いま日本では6人に1人の子どもが「見えない貧困」にあえいでいると言われています。阿部さんが考える貧困の問題点とは?

スタートラインが違うことが理不尽だと思います。

裕福な家庭の子ども達は、すごく前の方からスタートして楽にゴールできる。

後ろの方からしかスタートできない子ども達は、それは自分のせいではないのに、親を助けるため早く働いて、それを自分のせいだと思ってしまう。

そういったしんどい思いをしている子どもたちに、

自分を信じて夢を持つこと

勉強すごい楽しいんだよ


知識って力になるんだよ


そういうことを思ってもらえるようにしたいです。

やっぱり子供は宝だと思います。

子ども達を守るときに一介の主婦が「こうだ!」っていうよりも、司法書士が「こうだ!」と言うほうが声は通る。

私にとって司法書士の資格は勉強がしたくてもできない人の代わりに戦う。

その為の武器の一つです。

阿部さんが考える子どもたちの支援とは?

まずは自分が司法書士としてお金を得て、
そのお金を子供達に回す分配人みたいな姿が理想なのかなと思っています。

自分で財団を作るのか、既存の団体に回すのかというのはまだ考えていないんですけども、やっぱり現金なのかなという風に思っています。

現在は認知症対策 ・ 高齢者支援 ・ 親亡き後問題などに積極的に取り組んでいます。

自分の自由時間の全てを受験勉強に捧げて猛勉強していたある日、「どうしても聴いてみたい!絶対に聴かねば!」と感じるセミナーがありました。

それは、財産管理・資産承継の新しい手法である「家族信託」のセミナーだったのですが、参加してまたもや電撃が走りました。

家族信託が普及すれば、幸せな相続 ・ 揉めない財産管理 ・ 更には認知症対策にもなり、願いを叶えられる人が増えると確信しています。

財産管理や資産承継は長期にわたることですので、依頼者の方に「これで安心やわ」と感じていただける様に、責任から逃げることなく携わっていきたいと考えています。

すずらん司法書士事務所
〒540-0039 大阪市中央区東高麗橋2-1ルート中之島ビル4階

URL
http://family-trust-osaka.com/

1冊の本の中にあるたった1つのアイデアが人生を変える。

本当にそんなことがあるんだ!と感動しました。

イエール大学のエイミー准教授の研究によると、働く人は自らの仕事を、ジョブ(職)/キャリア(経歴)/コーリング(召命)のうちのいずれかとして捉えているといいます。

 

①ジョブ(労働)
仕事を単なる労働と考えている。働く動機は報酬。

②キャリア(経歴)
仕事は収入だけではなく昇進や名誉を得るための手段。

③コーリング-calling(召命・天職)
仕事は金銭的目的や社会的地位のためにしているのではなく、自分の人生にとって切っても切り離せないもの。自分の仕事によって世界が良くなっていると感じられる。または、自分が自分であるためにそれをしていること。

コーリングとして仕事を捉えることは簡単な事ではないと思います。

しかし阿部さんのお話から、たった1つのアイデアにより、仕事がコーリング(召命)に変化することがあるというヒントを見つけることができます。

一人でも多くの方が自分の仕事をコーリングだと心から思える様になれば、働くことがとてもワクワクすることになるのだと思います。

スノックでは「 人生100年時代の働くに伴走する 」ということが社会の持続性につながると考え、情報発信や考える場を提供していきます。

 

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