「命よろこぶ」を合言葉に シフォンケーキとランチのお店 トライム

新しい生き方インタビュー
プロフィール

トライムは京都市伏見区のお店。
小川夫妻と飛川さんは、難病の子供支援の為にトライムを立ち上げました。

医療機器メーカー・看護師とそれぞれ異なる仕事をしながら、小児がんの子供たちの夢を叶えるというボランティア活動をされていました。

自分達の生活費から少しずつ費用を捻出して活動を実施されてきましたが、ボランティア活動を継続的に実施していきたいという思いから、3年前にトライムを開業されました。

「命よころぶ」というテーマを大切にして、トライムは3周年を迎えようとしています。

病気の子供たちの夢を叶えるボランティアについて

どのようなボランティア活動をされていたのですか?

入院している子供たちには、いっぱいの夢があります。

『新幹線に乗ってみたい・イルカに会いたい・象が見たい・ケーキを作りたい・サッカー選手に会いたい・ウルトラマンに会いたい・・・・・』

そんな子供たちに少しでも力になりたい・・・・・そんな想いで小児がんの子どもたちをサポートする活動を細々と続けてきました。

例えばK君の夢は、『オオクワガタが欲しい』でした。

虫が大好きなK君は、オオクワガタを見たことがありません。10cm程のクワガタはデパートで11万円もします。

なんとかK君にオオクワガタを見せてあげたいとクワガタマニアの方に借りて本人に見せたら、病気のことを忘れて大喜び!

それを見たマニアの方は『あのクワガタあの子にあげるわ!』と言って笑顔で帰って行かれました。

ある時私たちが支援していた子供さんが、残念ながらお亡くなりになったことがありました。

私たちはそのお母さんが立ち直ることができるか非常に心配だったのですが、なんとか立ち直られ喪が明けた時、私たちのところにご挨拶にこられました。

その時のお母さんの言葉が私達には忘れられないものになりました。

「あの子は亡くなってしまったけど、寿命も短かったけど、今はあの子の笑顔しか思い出せません」

「命喜ばせてくれて、ありがとうございました」

お母さんの思い出す笑顔は、私たちがサポートさせて頂いた時の笑顔だったということでした。

『命よろこぶ』という言葉は私達は聞いたことが無い言葉だったのですが、その言葉に深い意味を感じ、 それからは『命よろこぶ』 ということをテーマに活動を続けてきました。

一生懸命病気と闘っている子供たちを応援し、生きてる間に生まれてきてよかったと思ってもらえることができればと思っています。

トライムをはじめたきっかけ

トライムを開業された想いを聞かせていただけますか?

「小川さんが作ったケーキはとっても美味しいから、ケーキ屋さんになればいいのに!」

ある小児がんの女の子が生前にクリスマスケーキを一緒に作った時に言ってくれた言葉です。

トライムのシフォンケーキ

その女の子の夢はイルカを見ることだったのですが、お医者様から長時間の移動は体力的に厳しいと言われ、結局彼女の夢を叶えることはできませんでした。

イルカを見るというその女の子の夢を叶えることはできなかったのですが、女の子が言ってくれた「ケーキ屋さんになればいいのに!」という言葉が私たちの心に深く残りました。

『あなたの夢を叶えてあげられなかった。でもケーキ屋さんは作ったよ。あなたの大好きだったイルカをロゴマークにしたい。』

そんな想いからトライムでケーキ作りを始めました。

トライムのロゴマークのイルカ

またある時「小川さんがいなくなったらこの活動は無くなってしまうの?」という質問を何人かの方からされました。

活動をしていく上で寄付に頼るのでは長続きしないので、会社を作って資金的な面で継続性を持たせないといけないということを助言頂き、私達はそうすることにしました。

トライムを運営していき、その一部を子供達の支援に充てていきたいという想いがあります。

トライムで提供しているケーキや食事は、余計な添加物を加えずに手間ひまをかけて本当に健康に良いものを提供しています。

自分達が食べる食事には添加物は入れないと思います。

市販で売られているケーキには、均一に膨らませるためにベーキングパウダーが使用されたり、着色料や甘味料が使われていたりします。

無添加のシフォンケーキを均一に膨らませるには、非常に高い技術が必要とされるのですが、トライムのシフォンケーキは手間ひまかけて、卵白を泡立てたメレンゲを作って膨らませています。

トライムのケーキはインパクトこそあまりありませんが、素朴な優しい味わいのケーキです。

また、料理には昔から台所で使われていた食材や調味料を大切にしています。

お米はお店の向かいの田んぼで自家栽培。毎年田植えから始まって、雑草取りや水の管理も私達がします。

野菜も可能な限り自家栽培しています。夏の盛りはプチトマトやインゲンなどの朝採りの新鮮野菜を贅沢に使用します。​

調味料は塩麴の他に、醤油麹・出汁麹・麹を使用した甘酒などを調味料として、漬ける・和える・味付け・ドレッシングなどに活用しています。

トライムの場としての魅力

トライムでは定期的にミュージシャンの方に出演して頂き、ランチライブを開催しています。

このライブも「命よろこぶ」というテーマを大切に開催しています。

トライムではプロのミュージシャンの方にもご出演頂きますが、アマチュアのミュージシャンの方に数多くご出演頂いております。

私達はご出演頂いたミュージシャンの方とのご縁を大切にし、応援していきたいと思っています。

トライムでの演奏を通じて成長して頂き、夢を追いかけ羽ばたいて頂きたいと思っています。

また、お客様の中にはハンディキャップをお持ちの方もいるのですが、遠くから電車で盲導犬と一緒に来られる方もいらっしゃいます。

その方は毎月必ずトライムのライブに来られて、音楽と食事とデザートにとても喜んで帰って頂いてます。

その方には「こんな楽しい店があって良かった」と言って頂きました。

お店を初めてから涙が出るようなうれしいことがあります。

ミュージシャンの方の夢のお手伝いや、お客様に心から楽しんで頂くことは「命よろこぶ」ということだと思います。

その様なとき、私たちの命も本当に喜んでいるのだと思います。

トライムをされている中で大切にしている言葉はありますか?

「必要・必然・ベスト」という言葉があります。

なんでこんなに面倒くさいことや嫌なことをしないといけないのかと感じることもあると思います。

でもそれは全て無駄ではないのです。

それをやっておかないと、次にやってくるテーマを乗り越えることができないよということがあります。

例えば出演して頂いているミュージシャンの方に「難病の子供達の前で歌ってくれる?」と聞いたことがあります。

すぐに「いいよ!」と快諾して頂きました。

難病の子供達にトライムに来てもらい、ミュージシャンの方に歌って頂くことができれば、みんなの「命よろこぶ」ということが可能になるのです。

私達が子供達の支援をするときに、私達が苦労して得た資金で支援をしているということが分かってしまうと、子供達はそれを喜んで受け取ってくれません。

子供達はとても敏感です。

私達が楽しみながら得た資金で支援をしていると知ると、初めて子供達はその支援を喜んで受け取ってくれるのです。

『一人の命が喜ぶと、まわりの命も喜ぶ』

これからも「命よろこぶ」ことができる様な活動をしていきたいと思います。

シフォンケーキとランチのお店 トライム
https://toraim.wixsite.com/mysite

〒612-8261
京都市伏見区横大路西海道62の2
TEL  075-202-6319 
E-mail toraimu@nike.eonet.ne.jp

​​京阪電鉄 淀駅より車(タクシー)で3分
     徒歩18分

編集後記

店内には関西最大級のプラレールの展示があり、その横で子供達がプラレールで遊んでいました。

床には子供達が遊べるようにマットが敷いてあり、お母さんも安心して食事と会話を楽しんでおられます。

帰り際には小川さんが子供達とハイタッチをしながら、目を細めておられました。

今回お伺いして感じたのは、皆さんの「喜んでもらいたい!」という強い気持ちでした。

小川さん夫妻と飛川さんの生き方は、子供達の支援からはじまり、他の人によろこんでもらいたいということを突き詰めていらっしゃるのだと思います。

それでいてやっておられる自分達も輝く。

それを自分のお店を通じて体現していく。

とてもすばらしい生き方だと思います。

小川さんがふと、「子供達はお母さんお父さんを選んで生まれてきて、みんな生きる意味があって生まれてきているんだよ」ということをおっしゃられました。

本当に優しい人だなと感じました。

 

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